広告収入の低減が深刻化しつつある日本テレビに赤字補填を継続する余裕がなくなり、その保有株(98.8%)が、持ち株会社である「東京ヴェルディホールディングス」(ユースOBが設立・運営)に対し、すべて譲渡されることになったのです。
東京Vは、J1にいた2008年度当時、約41億円の営業費用のうち、人件費がリーグ1位の約26億円を占めていました。もちろん、親会社の日テレによる約30億円の赤字補填があったればこその放漫経営だったわけです。
J1残留も危うかった東京Vが、草創期のJリーグ・バブル時代を想起させるような経営手法から脱却できなかった原因には、日本リーグ時代から培われた読売グループへの依存体質が強く作用していたはずです。
東京Vの長期低迷からJリーグ退会の危機に至る道筋を振り返るとき、その歩みは、浦和レッズがアジア有数のビッグクラブに成長した過程と、あまりに対照的であることに気づかされます。
優良経営を誇る浦和が親会社である三菱自動車からの経営的自立を遂げたのに対し、東京Vは、「読売クラブ」時代から今日に至るまで、読売・日テレグループに対する依存体質から脱却することはついにありませんでした。
東京志向の強かったヴェルディが、あっさり「川崎」を捨て去った点も、サポーターとの一体性を重視する浦和の姿勢とは極めて対照的なものでした。
ラモスや柱谷哲二らOBの「ヴェルディ愛」がいかに熱烈なものであろうとも、ヴェルディの生殺与奪の権を握っていたのは、常に読売グループ上層部だったわけです。
そう言えば、絶頂期にいた「ヴェルディ川崎」時代、テレビ放映権などを個々のチームが管理できないJリーグのシステムに苛立った渡邉恒雄が、「ヴェルディを中心に新リーグを結成するぞ」と当時の川渕チェアマンを恫喝したことがありましたね。
サッカーを愛していない権力亡者のかくも低レベルな妄言がまかり通るとは、何と牧歌的な時代だったのでしょう(苦笑)
ナベツネは、「読売巨人軍」になぞらえて、「ヴェルディ川崎」をJリーグの盟主的存在に仕立て上げたかったのでしょう。
当時、こうしたナベツネの時代錯誤な「老害」的発想を「どうぞご自由に」と一蹴した川渕チェアマンの毅然とした態度に、私は強い感銘を受けたものです。
そうした歴史的経緯をふまえれば、東京Vが日本テレビの傘の外に出ることは、ある意味で東京V再生の好機とも言えるのではないでしょうか。
「読売」の影を払拭した上で、「ヴェルディ」のサッカースタイルをこよなく愛するOBらが中心となって東京Vを真の再生へと導くこと。
東京V復活の道筋は、それ以外にはないのかもしれません。
個人的には、東京Vがかつての強さを取り戻し、浦和レッズの好敵手としてJ1を盛り上げてくれる日が来ることを、心から願ってやみません。
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